リッチOL小説~25歳、ショップ店員、ちえりの場合③~

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リッチOL小説~25歳、ショップ店員、ちえりの場合③~

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2日後、エージェントより内定を知らせる連絡が届いた。

 

営業経験がない事についての不安要素はあるが、サービス業を行ってきた人が持つ独自の観点からの意見に興味を持ってもらえたとの事であった。

これまでの経験が役に立って嬉しく感じた。

 

 

入社初日

「白石ちえりです。1日でも早く仕事を覚えて、皆さんのお役に立てるよう頑張ります。よろしくお願い致します。」

我ながらありきたりな挨拶だと感じながら、午前が終了した。

お昼休み、会社の休憩スペースでコーヒーを飲みながら、ほっと一息をつく。

 

「白石さん、隣空いてますか?」

 

突然の声にはっとした。

 

「川崎係長…!」

 

「係長は付けなくて良いよ~。うちは役職名で呼ばない決まりだから。白石さん、私と同い歳なんだね。」

 

敬語はさすがに外せないが、年齢が同じという事もあり、かなり打ち解ける事ができた。

 

「白石さんって雰囲気が独特だよね。面接の時の答えも変わってるなぁ…って。」

 

「求めていた答えと違いました?」

 

「ううん、実現可能かどうかは別として、自分にはない発想で面白いと思ったよ。」

 

風通しの良い職場は本当だと思った。

 

ちえりが今後行う企画営業は、展示会の企画立案、出展企業の募集・営業活動、展示会の運営など多岐にわたるものであった。

 

入社後3か月間はサブリーダーの川崎について回り、その中で一番合うポジションに配属される事になる。

 

「今回、白石さんが面接の中で言っていた出展企業の件だけど、いくつか保険会社と人材系の会社にもダイレクトメールを送ろうと思っているのよね。」

 

いきなりの川崎の言葉にちえりは驚いた。

自分の発言が採用されるかもしれないなんて、これまでマネキンに着せる服ですら決めた事がなかったちえりには初めての経験であった。

 

どんな仕事を任せてもらえるかすら分かっていないけど、

このプロジェクトは失敗できない。

 

ちえりのやる気スイッチが、煌々と光った。

 


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